【7月号】

平成31年6月27日
緑幼稚園長 後藤かをり

知りたがりやのしたがり屋
~時には一匹のダンゴ虫にすら~

 梅雨に入り、どんよりした空との毎日は何となくジメジメしていて「シトシト・ポツポツ・パラパラ・ザーザー」と降る雨音に気分は滅入りそうになりますが、どんな季節だって子どもたちはパワー全開です。この時期の雨の恵みを受けて大きく育ったプランターの野菜たちは、今か今かと食べ頃を待っています。雨に濡れたアジサイの花は、どんな花よりも美しく際立って「見て見てコール」を発しています。そして、ヨチヨチ歩きのカタツムリも「オレ様の季節がやってきた!!」とばかりに、我が物顔をして子どもたちとのふれ合いを楽しみにしています。
 さて先日、「生活綴方」と呼ばれる作文教育に永年取り組んでいらした元小学校教諭、野名龍二氏の訃報を知らせる記事を目にしました。この「生活綴方」は、子どもたちが生活をありのままに綴った作文を読み合う教育方法の一つで、代表的な文集「山びこ学校」は私も学生時代に読んだことがあります。素朴な言葉で、素直に自分の思いを表現した子どもたちの作文は読み手を感動させるもので、私は、その時に担任していた子どもたちの作文に朱を入れることをためらった時期もありました。その野名氏の著書「綴方教育論」の一節につぎのような文があります。

  子どもは、知りたがりやのしたがり屋である。人や物とつながろうとする。
  時には一本の釘にすら愛情を寄せる。

 目の前にいる大勢の子どもたち、「なんで? どうして?」という疑問をいっぱいぶつけてきます。「やりたい!! やってみたい!!」と好奇心も旺盛です。ダンゴ虫愛が強くて、ひたすらダンゴ虫集めに奔走しています。アリの大群に心を奪われ、飽きることなくずっと眺めています。そんな子どもたちが文字が書けるとしたら、自分たちの日々をどんな言葉で綴るのでしょう。
 野名氏のガリ版刷りのわら半紙(イメージができなかったらごめんなさい。)で作られた文集「みどりの電車」の最終号につぎのような文があります。

  仲間の作文を読んで仲間の生活を知り、仲間の心を知った。そして「みどりの電車」の仲間たち
  ひとりひとりが互いに心と心をつないでいったのだと思う。

 「知りたがりやのしたがり屋」がいっぱいの子どもたちは、言葉には表現できなくても一緒に活動する中で、お互いの気持ちを共有し合ってお友だちを作っていきます。時には、自分のやりたいことだけを優先させてしまっている年少の子どもたちも、そのうちにお友だちの心を知り、クラスの仲間としてつながっていくことでしょう。
 これからが夏本番、また、子どもたちが楽しみにしている夏休みも始まります。年長のお部屋からは「ヤッホッホ夏休み」の歌が聞こえてくるようになりました。そんな「ヤッホッホ夏休み」の間には、年長のお泊まり会や年中の夕涼み会、そして、年少の夏祭りがあります。「知りたがりやのしたがり屋」の子どもたちは、この夏の行事にも興味関心をもって臨み、お友だちとのふれあいやつながりを一層高めてくれることと思います。
 これから迎える夏休み、ぜひ、各ご家庭でもそれぞれの夏模様を綴ってみてはいかがでしょうか。
そして、2学期も1学期同様、どうぞよろしくお願いいたします。


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